宮前真樹さんのこと。

私も、事実上の「引退」だと思っています。
彼女自身は、私たちが傷つかないような言い方をしていますが、何となくわかります。ここで、彼女の言う通り「早くて1〜2年で復帰」と信じると、かえって、いずれガックリする運命になるでしょう。いや、その頃には割り切って受け入れているかも知れませんが。宮前さんが悪いわけじゃないんです。今まで、他のアイドル・タレントで同じことを受け入れようとして、裏切られてショックを受けることもよくありましたから。その逆で、引退って宣言して華々しく去っておきながら、数年後にちゃっかりカムバックされて、拍子抜けしたこともあります。これはこれで、なんやねん!って思っちゃいます。
今の宮前さんの仕事の状況は、何と言って捉えていいかわかりませんね。コンスタントに何らかの仕事はありましたから、順調といえば順調。しかし、表舞台に出なくなった感も否めません。今の「タレント」という立場って微妙ですよね。何をもって、順調か否かを評価すればいいのかが、わかりづらいですから。元乙女塾の他の面子も、同じだと思うんです。元乙女塾で「今も売れている」といえるのは、三浦理恵子さんと永作博美さんだけじゃないでしょうか。それ以外は、すべて「微妙」としかいいようがない。
乙女塾として、将来の輝ける歌手・タレントを目指して、90年代前半に頑張ってきた、あの日々って何だったんだろうね?
結局、「そのとき」だけ、「若くてピチピチしたとき」だけ、ちやほやされて、持ち上げられる、そんな芸能人生だったのか?
応援していた私たちも、結局は、「そのとき」が、「今」が楽しければ、それでよかったのかも知れない。彼女たちの将来のことなんて、考えることもなく。
彼女たちの実力・運が、結局は、それだけのものだったのか?

芸能界って、厳しいですよね。

ちなみに、宮前さんの事実上の引退ライヴ、曲目は、すべて89年および90年代前半にリリースされたCoCoならびに宮前さんソロ曲、同じ乙女塾で仲良しだった中嶋美智代(現ミチヨ)さんの楽曲です。最近の曲は、当然ながら1曲もありません。私はほとんど知っていますから、もし見に行っていたら、純粋に楽しめたかもしれませんし、あの日を思い出して、「まーーーっきちゃん!」「みーーーちよっ!」って叫んでたかもしれません。しかし、よくよく考えると哀しさも感じます。「過去の栄光」ばかりで、やっているんですから。それでもついてきてくれる根強いファンに支えられているから、ライヴ活動が続けられたのは事実ですが、彼らは、新しく開拓されたファンではありません。すべて、昔からのファン。過去にしがみつかなければやっていけない。私たちは、そんなアイドルを求めて、応援してきたわけじゃないんです。
10年ほど経過した今、同じ思い出を語れる人が一般的に少ない現実をつきつけられている自分がいる。