明日からのモーニング娘。を、阪急球団→オリックス球団に例えてみる

2005年1月30日。
モーニング娘。にとって、1つの時代が終わろうとしています。
飯田圭織の卒業によって、オリジナルメンバーが一人もいない“モーニング娘。”になるのです。
それに伴い、リーダー・矢口真里、サブリーダー・吉澤ひとみの「新体制」で、モーニング娘。は“再出発”します。
新しくなる“モーニング娘。”の幕開けです。



でも。
それだけじゃないんです。



もう一つ、でっかい出来事が待っています。



2005年5月。
石川梨華が卒業します。
モーニング娘。の偉大な“看板”、代表的な“顔”が、
その役割を終えるのです。



本当に“新しい”モーニング娘。に変わるのは、この時点だと、私は思うのです。



つまり。



2005年1月31日から、2005年5月の“Xデー”までの、約3ヶ月余り、
モーニング娘。は、今までにないくらい「微妙」な期間を、送ることになります。



これを、プロ野球に例えるならば。



オリックスブレーブス



に、例えることができます。


解説しよう。昨年までのオリックスブルーウェーブは、1936年に「阪急」としてスタートしました。1947年には“ブレーブス”を愛称にし、チーム名も「阪急ブレーブス」に変わりました。1988年10月、オリックスへの身売りが発表され、「オリックスブレーブス」というチーム名に変更。1991年からは、本拠地がそれまでの西宮から神戸に移転し、愛称も“ブルーウェーブ”に変わり、「オリックスブルーウェーブ」として再出発しました。

つまり、昨年までのオリックスブルーウェーブの歴史は、3つに分類できます。
   阪急ブレーブス → オリックスブレーブス → オリックスブルーウェーブ
      (阪急)
オリックスブレーブスだった2年間って、すごく微妙なんですよ。

期間が余りにも短かったため、野球ファンの間でも

  • 今振り返っても「ああ、そういう時代もあったね」と、言われたら思い出す程度の存在

と、言われています。一方で、

とも言われるほど、(今思えば)野球界で重要な役割を果たしたチームだったのです。



親会社がオリックスになってから、チームは少しずつ生まれ変わろうとしていました。
しかし、「阪急」ファンの心情に配慮し、ブレーブスの愛称は残し、本拠地・西宮もそのまま変えませんでした。
そして1989年・1990年ともにパ・リーグ2位という好成績で、
戦力的にも、阪急時代の“強いブレーブス”は継承され、阪急ファンの支持を得ることが出来たといえます。
一方で、2年の月日を経て、徐々にかつての「阪急」イメージは消えていきました。
これを受け、1990年シーズン終了後、本拠地・愛称ともに変更し、
本当の意味で“新しいチーム”として生まれ変わったのです。
やがて、「強いオリックスブルーウェーブ」の時代がやってくることになります。(以下略)



なぜ、オリックスブルーウェーブが“成功”したのか。

  • 阪急からオリックスに変わるときに、無理にすべてを変えなかったから
  • 「強い」戦力を、そのまま継承できたから
  • ファンの心情を理解しながら、少しずつチームを変えていったから

この3点に尽きると思います。
チームとして「しっかりした」状態で、満を持して、“神戸”に移転することができたのです。
強くていいチームだから、神戸の野球ファンも受け入れてくれたんです。





さて、“モーニング娘。”の現状を、“オリックスブレーブス”に当てはめてみましょう。

もちろん、矢口はずっとモーニング娘。にいましたから、かおたん・矢口の関係性と、阪急・オリックスの関係性は、全然違うとは思います。あくまで「誰がリーダーの時代か」で例えるとこうなる、といったものです。
それよりも、ここで重要なのは、石川梨華が、存在するか、否か」だと思うのです。魅力あるモーニング娘。であるために、石川梨華は確かに必要な存在だと思います。しかし、石川梨華の将来を考えると、卒業して、独自の活動を続けたほうが、石川梨華としての魅力が発揮できると思います。また、5期・6期のメンバーの今後を考えると、いつまでも石川さん頼みというのも、彼女たちのためにはならないでしょう。よって、「卒業」そのものは、ベストな選択肢だと考えることができます。
さらに重要なのは、「いつ、卒業するのか」ということ。「リーダー・飯田圭織」がいなくなるだけでも、モーニング娘。にとっては、あまりにも大きなインパクトです。そのインパクトを少しでも和らげ、違和感なく、“新しい”モーニング娘。に繋げるため、4期以前のメンバーが“橋渡し”をする必要があります。ただ、新しい“リーダー・サブリーダー”だけに任せるのは、それはそれで、荷が重いとも思いますし、そのサポート役として、石川梨華は、まだしばらくは必要な存在なのです。
そう、これからが、大事な時期なのです。
約3ヶ月間の「オリックスブレーブス」的な期間を、大切に過ごして欲しいと、強く願っています。無理に、“モーニング娘。のために”とか“自分のことより、モーニング娘。を・・・”とか、気負わなくてもいいです。そういうのは、石川梨華には似合わない。モーニング娘。石川梨華を、精一杯に出し切ること、それ自体が、立派な“橋渡し”になるはずです。5期・6期は、もうすぐで石川さんが卒業するという認識は持っていると思います。この3ヶ月間、後輩たちは、石川さんの背中を、最後の最後まで、ずっと見続けて、自分たちが輝くためにはどうあるべきかを、学んでいくことと思います。
本当に、「オリックスブレーブス」な時期になるかも知れない。
「そんな時代ってあったっけ?」「あーーー、そういえばあったかもね」
後々振り返っても、その一言で片付けられてしまう、そんな期間になってしまうかも知れない。
それでも、いいじゃない。
「あの3ヶ月があったから、今の自分たちがある」
将来的に、そう思えるように、新しいモーニング娘。の、「しっかりした」土台を、築いていって欲しいです。





さて、2005年1月29日・30日は、飯田圭織の「卒コン」野球に例えると「引退試合
阪急ブレーブスとしての最後の試合、1988年10月23日のロッテ戦も、また、阪急・山田久志投手の「引退試合」でした。
阪急として、そして、山田久志としての、「最後の試合」を、完投勝利で飾ることができましたが、
当の山田さんは、「勝利の瞬間、マウンドでどうすればいいか、わからなかった」のだそうです。
「引退する自分(山田)だけが主役なら、もっとストレートに喜びを表現しただろう」
「しかし、この日の主役は、『阪急』だったのだ」
明日・明後日の飯田圭織も、まさにその通りではないでしょうか。
飯田圭織”が主役なのは、間違いない。
しかし、この日は“飯田圭織”だけが主役ではないのだ。
飯田圭織がリーダーを務める『モーニング娘。』”も、同時に「主役」なのだ。
もっと言えば、“オリジナルメンバーが存在する『モーニング娘。』”も、主役なのだ。
いくつもの主役が存在する。
言い換えれば、いくつもの時代が“幕”を閉じる。
今までとは違った“インパクト”が、現実のものなり、
私たちに、飯田圭織に、モーニング娘。に、真正面から突きつけられるのです。



なっちの卒コンでは、“安倍なつみ”が主役、それで良かった。
ごっちんの卒コンでは、“後藤真希”が主役、それで良かった。



飯田圭織は、どんな表現で、その瞬間を迎えるのだろうか。
「阪急ブレーブス」的な、ラストの瞬間まで、あと2日。