仰木彬監督インタビュー〜週刊ベースボール

まず一言。ファンなら、買って読んで欲しい。一言ひとことを噛みしめながら。



「選手は全員が1年目」「どいつもこいつも同じ」こういう感覚で選手と接しているという仰木監督。これを知って安心しました。このたびの合併球団は、あくまで「新しい球団であること」そして「オリックスブルーウェーブ、イコール、合併球団ではない」という認識が、しっかりとできていらっしゃる。こうだと支持できるんです。
「“交代要員”レベルの選手はいっぱいいる」決して選手層が薄いわけではありませんよというのを言いたいのだろう。とくにオリックスバファローズの投手は弱いという下馬評が有力ですが、それならば鍛えてやろう、彼らのいいところを見つけて引き出してやろう、伸ばしてやろう、そういう気持ちが見られます。監督の仕事をきちんとしています。
(継投は)「パターン化するのではなく、さまざまな手を使って勝ちにいく」特定の選手を無理に酷使するという考えはなさそうです。とくに投手については、先発も中継ぎもいい者を使うということなのでしょう。選手の状態を見ながら、どんな継投をするのか、そこを注目しながら、予想しながら見ると、もっと面白くなるかも知れません。
「とっかえひっかえ要員」面白いことばです。谷間要員でも、敗戦処理でもない。新しい投手起用のありかたみたいなものが、今年のオリックスバファローズから感じ取れるかも知れない。そんな可能性を感じさせます。
野手は、上位打線はほぼ固まっているようです。というか、大方の予想通りでしょう。大西の内外野兼任の真意も、ほぼ大方の推測どおり。大西のような選手を、控えに終わらせないための措置といえます。
「向こうから自分の名前を言って挨拶をしてくれる」これには納得。世間に名の知れていない選手が多いですから、仰木監督にはしっかりアピールしないと、覚えてもらえませんからね。こういう選手の姿勢は、監督はとても好きみたいです。
阪神戦は)「オリックスバファローズの存在感を見せ付けるチャンス」これですよ。オリックスバファローズのファンは少なくても、阪神ファンならいっぱいいますからね。それに、伝統ある阪神戦だからと、テレビ観戦をする人も多いと思いますから。観てもらう機会さえもらえば、あとはいいプレーをするだけです。
「全国のファンに、元気なオリックスバファローズを見せたい」「何をおいてもオリックスバファローズのイメージアップをせなあかん」この気持ちを、1年間ずっと忘れないでいて欲しいです。



とにかく、前向きに、元気に、それでいて現実を見据えて、選手のことを最大限に理解して、オリックスバファローズをいいチームにしようという意欲が感じられますし、仰木さんなら大丈夫、そう思わせてくれるインタビューです。
自分がこのインタビュー読んでいいと思ったのは、チーム名をオリックスともバファローズとも言わず、オリックスバファローズと呼んでいたこと。合併球団だということ、ブルーウェーブ近鉄はフィフティ・フィフティなんだということが、よくわかっているんだと思います。
逆に、アレ?と思ったのは、新外国人の話のところ。昨年の選手の話に及んだとき、「昨年の2人は・・・・・」と話をしていたんですが、文脈から考えて、ブラウン、オーティズのことだと推測できます。過去を振り返る必要はないんですが、もし振り返るんなら、そこも、フィフティ・フィフティであって欲しいです。バーンズやマリオのことも、いなかったことにはしないで欲しいのです。まあ、これは重箱の隅。
とにかく、これ読んでたら、今が“逆境”であることを忘れさせてくれます。前向きな気持ちになれます。だから、ファンなら、そして、オリックスバファローズに少しでも関心があれば、買って読んで欲しい。