明と暗

楽天がこれからやろうとしていること。
結局、既存の球団と、やっていることは一緒だと思う。
「しがらみのない市民球団」って言っておきながら、思いっきり、しがらみだらけじゃないですか。
一方で、新しく球団をつくって、やっていく難しさを実感しているんじゃないでしょうか。
かわいそうなのは、応援してくれている楽天ファン、そして、楽天に移籍した選手の皆さんです。





多くの野球ファンから見捨てられていて、熱いファンだけが残っているバファローズのほうが、
ある意味「しがらみ」がなくなって、やりやすいのかも知れない。





以上のことを書いたのは、今日の午前中。
その後、キーナートGMの解任が発覚。
あーあ。やっちゃったよ。
「これやったらイーグルスはダメになる」自分がひそかに思ってたことが、現実になってしまいました。
これ、イーグルスの前身(?)にあたるオリックスブルーウェーブが、2003年にやったことと同じですよ。
石毛監督の解任、レオンコーチの監督への緊急就任、そして中尾ヘッドの解任、中沢サーパス監督(現サーパスコーチ)の一軍ヘッド就任、加藤氏のサーパス監督への緊急就任・・・・・すべては、石毛さんの解任から、すべての歯車が狂ってしまいました。中尾ヘッドは元々石毛さんだからということでヘッドコーチになった人なので、レオンさんとやって、うまくいくはずがありません。そんな状況でのヘッド適任者は、当時サーパス監督だった中沢さんしかおらず、サーパスに対しても多大な迷惑がかかってしまいました。何より、そんな中途半端な時期に、こんな状況の悪いチームを預かることになったレオンさん、加藤英司サーパス新監督は、大変だったと思います。その後、サーパスのほうは何とかなりましたが、一軍のブルーウェーブは、いい雰囲気になることは一度もないまま、チームそのものがなくなってしまいました。
だいたい、今のイーグルスは、実質まだ1ヶ月しかやっていないんです。田尾監督の仰るとおり、たった1ヶ月ですべてがわかるわけないんですよ。とくに新しいチームであるイーグルスは。今日現在で6勝しかできていないのは、いわゆる「想定の範囲内」です。こういう状況で大事なのは、人事をいじらないことだと思います。それは、選手だけじゃなく、監督やコーチ陣、三木谷さんやキーナートさんも含めて。辛抱強く、一枚岩になって、最後までやりきることが大切だと思う。結成の時点で、「これこそが、いいメンバー」と判断して、集めた人たちじゃないですか。とくに、コーチ陣なんて、人脈とか一切関係なく、能力や人柄のみを重視して集めた人材じゃないですか。人脈や派閥重視の他球団と、この点が大きく異なるんです。すぐに、チームワークができあがるわけがありません。じっくり時間をかけて、お互いを理解しあう時間をつくりあげることが、いいプレーに繋がり、勝利に繋がるのだと思う。だから、最初は勝てませんよ。絶対に勝てない。チャンピオンチームの西武に勝ち越しているのは、ある意味「奇跡」です。絶対ありえないことです。まあ、ライオンズは失策が多いですから、コツコツ小さいのを打つ楽天打線がつけこみやすいというのはあるかも知れません。それを差し引いても、奇跡は奇跡ですよ。むしろ、もっと勝てないんじゃないかと、自分は思っていましたから。そのくらい、ゼロから始まるチームが、新規でプロでやっていくのって、難しいんですよ。グラウンドで戦う布陣だけでなく、監督・コーチも含めて。
野球をやるのは、あくまで選手。とはいえ、その選手が、野球をやるための環境が整っていなくては、これはもう、どうしようもありません。
それと気になるのが、三木谷さんの不用意な発言の多さ。これも、既存の球団の偉い人たちが、多くしでかしてきた「失態」です。
三木谷さんは、一応は“あくまで、個人的な意見だけど”と前置きはしてはいます。そして「あくまで、現場と対話をして」と、クリーンだということを強調しています。しかし、それ以前に述べている“不用意な”“個人的な”主張が、チームの歯車を狂わせる要因になっていることに、三木谷さんが気づいているのだろうか。
これって、あの「だかが選手が」発言と、やってることは同じことですよ。「たかが選手が・・・・・、まあ、いい選手もいるんだけど」言い直しても遅い。“たかが選手が”という認識を、心のどこかに少なからず抱いていた点が、問題なのだから。これと一緒です。そして、マスコミはその隙をついて、コテンパンに叩きまくります。こうなると、それはマスコミでなくて、不用意な発言したほうが悪い。同情の余地がある人に対しては、マスコミはそんなに叩きません。叩かれるということは、それだけ、何らかの「非」があることは間違いありません。
三木谷さんの発言に話を戻すと。田尾さんは三木谷さんの(人伝にきいた)コメントを聞いて、「コーチは悪くない」さらには「自分が責任をとる」とまで、考えてるみたいじゃないですか。「田尾監督は不問」といくら三木谷さんがフォローしても、それ以前の、コーチ陣に苦言を呈した発言に対して、田尾さんは心を動かされているわけで。今後、田尾さんが、早い時期に「責任をとる」と自ら動くことになったとしたら、それは間違いなく、三木谷さんの発言が原因です。田尾さんは「今年はこのメンバーでいく」と公言しているわけですから、三木谷さんの発言がなければ、「責任をとる」なんてことは、絶対にやらないですよ。
田尾さんも含めて、ベンチをいじるということは、やるべきではないと思う。
田尾監督、絶対にこのまま続投して欲しい。
確かに監督としてはまだ未熟ですが、どんな名監督にも、そういう時期はあるのだから。





もし、田尾監督が「責任をとる」ことになってしまったら。
その時点で、楽天の浮上はありません。間違いなくありません。
春季キャンプから今までに築き上げたチームでの“絆”が、一度は壊れてしまいます。
また、それまでにやってきたことが“無”にされてしまうことにもなります。
今後につながることなんて、何もないんですよ、そうなると。





逆に、どんなに勝てなくても、その中から光明を見い出し、
もがき苦しみながらも、諦めず、辞めず、粘り強くやっていけば、必ず「明日」に繋がるんです。
負け続けて、コテンパンにされまくる中から、課題を見い出すことしか、今はできないと思います。
“ゼロ”のチームが、強くなっていくのって、そういうことじゃないんですか。
イーグルスに求められているものって、そういうのじゃないんですか。





ブルーウェーブは、それができなかったから、最後には消滅してしまいました。
そのことを、忘れないでいてもらいたい。