9・19 ドキュメント

2005年9月19日。
神戸市・スカイマークスタジアム
オリックスバファローズvs東北楽天ゴールデンイーグルス・今季最終戦
かつての近鉄ファンブルーウェーブファン、
そして、
今のオリックスバファローズファン、楽天ファン、
さまざまな立場の「ファン」にとって、とても大切な意味を持つ。
「9月19日」は、そんな特別な日だったのだ。

試合前の風景

開門したばかりで、まだ人もまばらな外野スタンド。
いつもどおり、座席に座って、ビジター(今日だと楽天)の練習風景を眺める。
外野の芝生を、歩いて往復しながら談笑している戸叶と谷中。
一二塁間でグラブをもってたたずんでいる大島さん。
二三塁間の土をならしている斉藤。
打撃練習に参加する山崎さん、そして佐竹。
すっかりイーグルスカラーに染まった青波戦士たち。
いつも以上に、感慨深く感じられた。



そうそう、梨華ちゃん
バファローズの選手ってさ、サヨナラ勝ちしたとき、面白いんだよ。
( ^▽^)<えー、何、何?
サヨナラタイムリーを打った選手に、ベンチの選手が一斉に駆け寄るんだけど、
そのときに、誰かが水の入ったペットボトル持ってきてね。
水を撒き散らすんだぜ。
( ^▽^)<おもしろーい!
おもしろいっていうか、アホみたいだよなー。
( ^▽^)<でも、バファローズの選手の皆さんって楽しそう!
そう。
チームの雰囲気が、明るくて楽しいからこそ、そういうことができるんだろうね。
( ^▽^)<今日もサヨナラ勝ちして欲しいなー。
そんな光景が見られるかもね。
でも・・・・・
(;^▽^)<そうなるということは、9回表までに同点か、リードされてなきゃいけないよね・・・
せめて同点がいいなあ。
( ^▽^)<そんなうまいこと、いけばいいけど。
そりゃそうだ。
そんなうまいこと、いくわけないよな。ハハハハハハ。



そんな暢気な風景。

( ^▽^)<今日のスターティングメンバーは

東北楽天ゴールデンイーグルス
( ^▽^)<1番・セカンド・佐竹。背番号25。
( ^▽^)<4番・指名打者・山崎。背番号7。
オリックスバファローズ
( ^▽^)<1番・センター・村松。背番号3。
( ^▽^)<2番・セカンド・塩崎。背番号31。
( ^▽^)<3番・サード・後藤。背番号1。
( ^▽^)<7番・指名打者・谷。背番号10。
( ^▽^)<9番・キャッチャー・日高。背番号27。
( ^▽^)<先発ピッチャー・川越。背番号11。



スタメン発表直後の、オリックスバファローズ応援席の1−9。
いつもどおり、楽天(前近鉄およびブルーウェーブ選手)・オリックスバファローズ両方の応援歌が演奏された。

佐竹−高須−吉岡−山崎−礒部−川口−藤井−永池−村松−塩崎−後藤−ガルシア−阿部真−ブランボー−谷−北川−日高

この演奏も、今年はこれで最後か・・・
( ^▽^)<ねえ、わたなべさん・・・・・
ん?
( ^▽^)<楽天の選手の皆さんは、演奏してくれていることは、知ってるの?
そりゃ、わかってるだろう。
昨年まで、自分の打席で使われていたからね。
逆に、本人が気づくとわかってて、演奏していると思うよ。
確実に、バファローズ応援団の「エール」は、楽天選手の皆さんには届いているだろうね。
( T▽T)<いい話だわ・・・・・



さあ、いよいよプレーボール!

1回裏。

村松ヒット。塩崎、送りバント。後藤タイムリーで1点先制。ガルシアがヒット。阿部真、犠牲フライで2点目。ブランボーがタイムリーで3点目。谷もヒット。
このイニングだけで、バファローズは5安打3得点。
しかし。
この後、バファローズは、走者すらほとんど出せない。

2〜8回。

2回表。
川口が二塁打でチャンスをつくった(還すことはできなかったが)
4回表。
高須ヒット、その後盗塁、日高の悪送球で三塁に。山崎タイムリーで1点目。
5回表。
藤井ヒット、永池送りバント成功でチャンスをつくった。
6回表。
( ^▽^)<バファローズのピッチャー・川越に代わりまして萩原。背番号42。
吉岡ヒット。山崎四球。一二塁のチャンス。
ここで萩原降板。ピッチャーは菊地原。
代打・飯田のタイムリーで2点目。
7回表。
ピッチャーは香月。
代打・ロペスの二塁打。佐竹の進塁打で三塁。高須のタイムリーで3点目。これで同点。
高須が今日2個目の盗塁。山崎敬遠。ここで香月降板。
( ^▽^)<バファローズのピッチャー・香月に代わりまして加藤大輔。背番号15。
山崎ヒット(高須の走塁死で点は入らず)
8回表。
塩崎の失策で、礒部が出塁。鷹野が送りバント成功。飯田が四球出塁。一二塁のチャンスをつくった。
( ^▽^)<バファローズのピッチャー・加藤大輔に代わりまして、ユウキ。背番号55。
ユウキが何とか後続を断った。

9回表。

酒井ヒット。佐竹が送りバント。高須の進塁打で三塁。吉岡敬遠。走者は一三塁。そして、山崎の打席。
ユウキの暴投。
日高が捕れない。
ユウキのベースカバーが間に合わない。
酒井がホームイン。4点目。イーグルス勝ち越し。
( T▽T)<最悪・・・・・
山崎はこの時点で四球出塁。
走者は一二塁。
( ^▽^)<バファローズのピッチャー・ユウキに代わりまして、歌藤達夫。背番号12。
この直後、水口がエラー!満塁になった。
しかし、歌藤が後続を断った。



ここまで(9回表まで)で、

  • バファローズは7安打3得点。
    • うち、2〜8回は2安打のみで無得点。
    • 守備ではなんと3失策・・・
  • イーグルスは12安打4得点。
    • 盗塁はなんと2つ!ともに高須。

( T▽T)<なんなの、この差は・・・・・





しかし。


本当のドラマは、ここからだった。

9回裏。

先頭打者・阿部真がヒット。
ブランボーがレフトフライ。一死一塁。
ここで。
( ^▽^)<ファーストランナー・阿部真宏に代わりまして、早川。背番号37。
谷がヒット。一死一二塁。
北川の進塁打で、二死二三塁。
代打・大西。ストライクが入らない。4球目は故意に外した。敬遠で、二死満塁に。





ファーストランナー・大西。
セカンドランナー・谷。
サードランナー・早川。
早川は、同点の走者。谷はサヨナラの走者。
そして、バッターボックスには・・・・・



( ^▽^)<バッターは、1番・センター・村松
       1番・センター・村松



1球目。ボール。



2球目。見逃し。



3球目。ファール。



4球目。ファール。



そして。
5球目を、村松のバットが、弾き返した。
打球の方向はライト。
礒部のいる方向だ。



礒部が、必死にに追いかける。
精一杯に、グラブをはめた手を伸ばして、追いかける。
芝生に滑り込んだ。
しかし、捕れない。打球は、フェンス際の赤土の上に、ポトリ。





( T▽T)<勝てた・・・・・





このとき、21時59分。
3時間59分の激闘に、終止符を打った瞬間。





グラウンドでは、恒例の「手荒い祝福」
的山からペットボトルの水をかけられる村松





気がつけば、スコアボードの9回裏には

2×

のマークが。





村松のヒーローインタビュー。
瞳に、涙が滲んでいるのが、ビジョンで見ていてもわかった。
管理人の目にも、うっすらと涙が滲んだ。





そして、ライトスタンドのお客さんみんなで、「SKY」を大合唱した。





1年前、こんな光景を、誰が想像しただろうか。

覚えていますか 思い出してください そして 忘れないでください

梨華ちゃん
ちょうど1年前は、こんなことがあったんだよ。
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確かに、近鉄球団は消滅した。ブルーウェーブも消滅した。
しかし。
選手の皆さんの力、そして、私たちファンの力が、野球界を動かした。
そして、消滅した2つのチームと引き換えに、新しく生まれたのが、
「新規参入球団」(現・東北楽天ゴールデンイーグルス
「合併新球団」(現・オリックスバファローズ
の2球団なんだ。
2004年9月19日の出来事は、まさに、この2球団の原点とも言えるんだ。
あの日、頑張ったから。
当時の猛牛戦士たち、そして、青波戦士たちの多くは、
楽天の選手として、
バファローズの選手として、
この日、試合に出て、野球選手としてプレーすることが、できているんだ。
1年前みたいに余計なことを考えず、ひたすら野球に集中できるようになったのは、
あの「9月19日」の、選手会の取り組みがあったからなんだよ。
( T▽T)<泣ける話だわ・・・・・










( ^▽^)<わたなべさん・・・・・聞いていい?
ん、何?
( ^▽^)<わたなべさんにとって、2004年9月19日って、どんな思い出なの?
       悲しい思い出?それとも・・・・・
そりゃ、どっちかと言われれば、悲しい思い出に決まってるよ。
自分の愛していたチーム「ブルーウェーブ」が、消滅してしまうことは、もうわかっていたから。
その気持ちは、きっと、永遠に変わらない。



だけどね。



いろんなブログを見てごらん。
様々な野球ブログ、とりわけ近鉄ファンブルーウェーブファンの、
2005年9月19日の日記を読んでごらん。
ほとんど、いや、まったくといっていいほど、2004年のこの日のことには、触れていないんだ。
それは。
今は、そういう余計なことを考えなくてもいいほど、野球が楽しくて仕方がないから。
選手の皆さんも、そして、私たちファンも、1年前とは違って、野球に没頭できる環境が整ったということなんだ。
だから、正直言って、1年前のことなんて、もう関係ないんだよ。
1年前に考えていた、望みどおりの環境が、整ったんだから。



そして。
今日の試合終了の瞬間の、バファローズファンの歓喜の風景を、思い出してごらん。
純粋に、バファローズの勝利に酔いしれているよね。
以前までだったら、バファローズが勝っても、イーグルスに対する複雑な思いが心のどこかで交錯してた。
だけど。
イーグルスは、イーグルス
バファローズは、バファローズ
これは、もう、割り切らなきゃいけない。勝負の世界だからね。
1年が経過して、今季の最終戦を迎えたころに、
やっと、そういう複雑な思いからの「決別」が、できるようになってきたのかも知れない。
( T▽T)<決別・・・・・哀しい響きだけど、力強いわ・・・・・





だけど。
忘れちゃいけないんだよ。
2004年に、そういうことが、あったということを。
いろいろあって、今の楽天と、バファローズが誕生したことを。
そして、これからも、大切にしていこう。
生みの苦しみの末に生まれた「東北楽天ゴールデンイーグルス」そして「オリックスバファローズ」を。





そして、両チームとも、まだ今季の試合は残っている。
目の前の戦いに、没頭しなくちゃいけない。



バファローズは、出場の可能性があるプレーオフに向けて、さらに走り続けようじゃないか。

おつかれ、楽天イーグルス

管理人としては。
14名のブルーウェーブ戦士が、1年間、元気で頑張ってくれたことが、素直に嬉しいです。
レギュラーの座を手にして、主力選手として「復活」を遂げた山崎さん。
オリジナルの応援歌を作ってもらえるようになったほど、人気選手に成り上がった佐竹。
相変わらず、元気で明るい戸叶とタニチュー。
変わらぬ堅実な守備を披露してくれた斉藤。
試合には出なくても、近鉄ブルーウェーブで培った技能と精神を、若い選手に伝えてくれている大島さん。
まだまだ物足りない、もっと頑張って欲しいカネさん、徳元。
今後ますます羽ばたいて欲しい、竜太郎、中島、小島、高橋。
残念ながら戦力外にはなってしまいましたが、まだ辞めて欲しくないオグさんとコバヒロさん。
以上、14名。
彼らの今後については、今後も、見守り続けていきたいと思います。
かつての戦友として。
そして、良きライバルとして。
( ^▽^)<あと残り5試合。頑張って!