“呪縛”を解き放て〜平野佳寿

オリックスバファローズvs西武ライオンズスカイマークスタジアム
( ^▽^)<バファローズの先発ピッチャー 平野佳寿 背番号16
今季23試合目の登板です。
バファローズの先発投手陣の中では、登板試合数、投球回数ともにダントツのトップ。
開幕からほとんどローテーションを飛ばしていない先発ピッチャーです。
すなわち、バファローズの“準”エース。





まさか、こんなことになるなんて。





1回表は三者凡退に抑えた。
2回表。5安打2失点。
3回表。4安打2失点。このイニングで一死も取れないまま・・・・・
( ^▽^)<バファローズのピッチャー 平野に代わりまして 歌藤達夫 背番号12
左腕・歌藤がワンポイント登板。予定通り1アウトをとった。その後。



( ^▽^)<バファローズのピッチャー 歌藤に代わりまして 本柳 背番号34



本柳はそのまま4イニングに登板。
事実上「第2先発」としての役割を果たしたわけです。
本柳にとって、この登板が今月5試合目の第2先発。
過去4試合は、いわゆる“先発テスト”の高木、オバミュラー、セラフィニのリリーフ、また、吉井のアクシデントによる“緊急登板”でした。



まさか、平野のようなローテーション投手に、“第2先発”の救援が必要になるなんて。




奇しくも、この試合でライオンズの松坂大輔投手が完投勝利。
試合開始時点では、松坂と平野がともに10試合完投で、ダントツのパ・リーグ同率1位でしたが、
松坂が11試合目の完投を記録し、リーグ単独トップの座を譲ることになってしまいました。



さらに。
ライバルの北海道日本ハムファイターズ八木智哉投手が、10勝目をマーク。
ちなみに平野は現時点で7勝。
ルーキー同士の2桁勝利争いで、大きく先を越されてしまいました。

平野をとりまく3つの“呪縛”

ルーキーイヤーの今季、前半戦はひたすら絶好調で駆け抜けました。
特筆すべきは、何よりも、完投試合数の多さ。
いつの間にか「ミスター完投」「完投キング」「平野が投げたら完投してくれる」というイメージがついてしまいました。
やがて、平野の登板時は、調子の良し悪しを問わず、長いイニングを投げさせるようになっていきました。



前半戦終了時点で、中村監督が、そして、私たちファンが平野に期待したこと。

  • 完投数パ・リーグ1位を目指す。そのために後半戦は全試合完投を目指す
  • 2桁勝利はもちろん、勝ち数で八木君を上回る
  • 最終的に、パ・リーグ新人王を獲る

この3つのことが、平野にとっては“呪縛”となってしまい、必要以上に「力み」を彼に与えてしまったのかも知れません。




先週の24日のソフトバンク戦。先発・平野は8イニングで降板、勝ち星はつきませんでしたが、チームは勝利を果たしました。
これで良かったと思います。
あくまでも、目指すところ、優先すべきことは「チームの勝利」なのだから。
先発投手の目標は、あくまでも、試合開始から可能な限りの長いイニングを投げて、試合をつくること。
投げられるところまでリズム良く投げて、リリーフに託すならいい形で託す、それでいいんだと思います。



今のところ、平野に対して「完投させる」という“こだわり”は、チームとしては捨てたように見えます。
本当にそうだとすれば、いいことだと思います。
あくまでも、こだわるべきはチームの勝利。
とにかく、目の前の試合を、一つ一つ勝っていくことです。



今季のチーム成績不振の理由の一つは、そのあたりにあったのかも知れません。
個人記録ありき、タイトルありきでは、チームの勝利を逃してしまう可能性がものすごくありますからね。






優勝の可能性が消えて以降、はじめて臨んだこの2連戦。
チームとしての目標がなくなった今、普通ならどうしても、個人記録に走ってしまいがちなんですが。
今のバファローズは、優勝の可能性があった頃より、“チームの勝利”にこだわっているように見えます。
これはいいことですよ。
優勝だけが目標ではないですからね。
昨日のサヨナラ勝ちの、選手の喜びようを見たらわかります。
目の前の試合に勝てたら、やっぱり、楽しいんですよ。
負けたら、面白くないですよ。





残り17試合。
1試合でも多く楽しめますように。