戦力外通告

一軍全日程が終了して、1週間ちょっと。
二軍全日程が終了して、まもなく1週間。
通常なら、すべての日程が終わる前に、いくらか戦力外の通告があってもおかしくはありません。
もしくは全日程終了の翌日にでも、戦力外のアナウンスがあるのが、普通のスケジュールです。
しかし。
オリックスバファローズは、全日程を終えて3日を超えても・・・・・5日を超えても・・・・・
なかなか、そのニュースが発表されませんでした。



他のチームと、ちょっとチーム事情が違うのかな、ということは、容易く推測できます。



昨年(2005年)は合併1年目ということで、他チームよりも多く支配下選手(80人以内)を抱えました。
2004年に近鉄ブルーウェーブに在籍していた選手を、可能な限り責任をもって引き受けるということで、
このような異例の措置がとられたのでした。
しかし、その特別措置も1年限り。2006年からは規定通り、支配下選手は70人以内に。
それに伴い、昨年オフには、20人以上もの退団選手を出しました。
チームを去っていった多くの選手の皆さんにとっては、気の毒でしたが。
言い換えれば、この時点でチームに残留した選手は“選りすぐり”の選手なのです。
そして、平野佳や森山などの即戦力ルーキー、岡田や柴田亮といった将来を期待された若手、
中村紀・前川の古巣復帰、さらには清原、デイビー、セラフィニを他球団から獲得・・・・・
文句をつけようのないほどの戦力補強をおこない、万全の体制で2006年のシーズンを迎えました。



期待通りの成果が残せたか、どうか・・・・・それは、選手それぞれです。
しかし、ほとんどの選手は
「体調さえ万全なら、一軍で力を発揮してくれると期待できる選手」
「これからの成長が楽しみな、育成段階の若い選手」
このいずれかに該当します。
昨年から今年にかけて残留した選手、今年新たに獲得した選手、一人も、無駄な戦力なんてない。
“この選手が戦力外”と、論を待たずに断定できる選手が、ほとんど一人もいないのが現状です。



そういった“合併球団”ならではの事情もあり、戦力外の選手を決めることすら、難しかったのではないでしょうか。





前置きが長くなりましたが。
さて、今日・10月5日、今季はじめての戦力外通告が発表されました。
以下の6名です。

野村宏之投手
小川裕介投手
吉原孝介捕手
三木仁内野手
中本和希内野手
小島昌也外野手

このうち、吉原さん以外はいわゆる「育成途中の若手」であり、
戦力外となってしまうのは、あまりに“もったいない”選手ばかりです。
公式サイトで彼らの戦力外を知ったときも、心から納得というわけにいかず、
あ〜、そうなんだ・・・・・と、訳もかわらず受け入れている、今はそんな心境です。



吉原孝介捕手。
二軍の最終戦で「胴上げ」をしてもらったそうです。
それは、つまり・・・・・そういうこと。
公式発表がまだありませんので、あえてその辺は伏せてここには書きます。
まあ、吉原さんについて、こうなったことについては納得。
ある意味、チーム唯一の“大ベテラン選手”でしたからね。
むしろ、若い選手ばかりのこのチームで、自身も選手でありながら若手の面倒を見る役割を果たしてくれたことに、感謝したいです。




ん〜。
なんか、まだ現実を受け入れ難いです。
できればね。
今シーズンを一緒に頑張ってくれた70人全員で、もう一度、優勝を目指すところを見てみたかったですよ。
だけど、そういうわけにはいかない。
絶えず先を見つめて、私たちは前へ前へ、歩みを進めなければならない。
新たにプロの道に足を踏み入れる若い力を、受け入れるために。
何人かの選手とは、別れを告げなくてはならない。



とくに、今年に限っては、この6名を選んだことは、球団にとって、苦渋の選択だったと思います。





彼らは、これからどういう道を選ぶのだろうか。
今後の動向に注目していきましょう。