“鼓動をひとつに”

野球場に足を運ぶと、贔屓チームのユニフォームに身を包んだ野球ファンで溢れています。
どこの球場でも見られる光景であり、どこのチームのファンにも言えることです。
文字通り、選手と“一緒に”野球をやっている感覚になれるんですよね。



しかし、この点について、比較的“特殊”であり“特異”な光景が見られるチームがあります。
われらが「オリックスバファローズ」です。



皆さんご存知の通り、前身球団である2球団は、比較的最近になる3年前まで存在していました。
その各球団は、多様なユニフォームをつくったり、年々マイナーチェンジを図ったりして、
過去数年間だけでも何種類ものユニフォームがありました。
球団創設後も各球場専用のユニフォームがあったり、マイナーチェンジもしたりしました。
具体的な数はわかりませんが、10種類は軽く超える種類のユニフォームが存在するのではないでしょうか。



よって、球場で野球観戦をするオリックスバファローズのファンを見回すと、
まさに多種多様なユニフォームに身を纏ったファンが存在することになります。



併せて、このチームのファンのユニフォームの作り方も、また“異質”です。
背番号を見ると、明らかに市販じゃないものを着用している率が、はるかに高い。
球団のグッズショップに行けば、何人かの人気選手については既製品が販売されています。
オリックスバファローズの場合、こういう既製品が市販されていない選手の、熱烈なファンが異常なほどに多い。
必然的に、オリジナルなユニフォームが多くなります。



市販品を使用している人を除くと、
おそらく、同一の種類で同一の背番号のものを着用している人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
見ていて笑えるくらい、オリックスバファローズの応援席は
「バラバラ」のユニフォームを着た集団なのです。



この事実について、受け止めは人それぞれだと思います。
しかし、これでいいんじゃないかと、私は最近そう考えているのです。



特異な経緯によって創設されたチームであり、
2つの異なるチームのファンが母体となる、われらが“オリックスバファローズのファン”
バラバラのユニフォームは、そんな複雑なチーム事情の証でもあります。
チームに対する風当たりが強い状況にあって、ファンとして選手を、チームを支えていることは、
誇りに思っていいんじゃないかと思っています。



何より、「バラバラ」のユニフォームの私たちですが、
気持ちは「一つ」にして、応援している。





美しい光景じゃないか。





まだまだ、チームにとって苦しい戦いの日々は続くと思います。
“誇り”を持ち続けて、そして、鼓動を“ひとつ”にして、
今後も応援を続けていく所存です。