「おかえり」を回想してみる

2月も今日で終わりで、なっちミューもとっくに終わってまして、そろそろ書かねばと思っていましたが、書いてみますか。「おかえり」について。
このお話のどこにポイントを置けばいいのか。なっち演じるミサキの、未来の旦那と名乗るケンタロウに対する心の動きに尽きるんじゃないでしょうか。最後まで見たら、結局、ケンタロウはミサキに何をしたかったの?自分との結婚を止めさせるために未来からやってきたのに、かえってミサキの心はケンタロウへと傾いている。いや、それどころか、ケンタロウのことを好きで好きでたまらなくなってしまう。それはなぜか、他ならない、ケンタロウが未来からやってきてミサキの前に現れてしまったから。ミサキにコーヒーのつくりかたを教えるケンタロウの姿を見ていると、今のミサキに必要なことを、ケンタロウは知り尽くしていることが伺えます。心からミサキのことを思って、ひたすらミサキに尽くしているんです。そんな男に、女の子は惹かれるんじゃないでしょうか。ミサキがケンタロウに心酔してしまうのは、もはや、当然の成り行きなのです。それをケンタロウはわかっていたのか?自分のやっていることをわかっているのか?ケンタロウの意図を伝える以前に、ミサキはすでにケンタロウを好きになってしまった。一緒になりたくなってしまった。これでは、ケンタロウの思いを受け入れるわけがないじゃないですか。本当にケンタロウは罪な男です・・・。それでも、事実がわかってしまったとしても、ミサキはケンタロウを好きで好きでたまらなくなっているのでしょう。一度作り上げられた、ケンタロウを「好き」という気持ちは、簡単に消えるものではありません。人を好きになる勢いって、凄いんだよ。一方で、これだけミサキに惚れさせてしまうケンタロウの行動も凄いと思います。心の底から、相手のことを思いやること。相手の本当に気持ちを知り尽くすための努力をすること。こんな「思いやり」のある男に、私はなりたい。
もう一つ、亡き父の後を継いで「カフェ・ミレド」の経営を頑張ろうとするミサキの姿、そのひたむきさにも私は惹かれました。なかなか結果はでないけど、ひたすら頑張っている。コーヒーづくりに悪戦苦闘しているミサキの姿を見ているだけで、「頑張っている」そのことが伝わってきます。いや、その一言でしか言い尽くせません。もちろん、社会は厳しいですから、頑張ってるからといってそれだけで評価してもらえるほど世間は甘くない。頑張るだけで結果が出るほど仕事は甘くない。そんなことはわかってる。明らかにミサキは自分に無理をしていた。でも、立ち止まるわけにはいかなかったんです。ミサキが頑張るしかないのだから。うまくいくための方法論を、ケンタロウが現れるまでは見い出せなかったミサキですが、すべて無駄ではないんです。遠回りの過程は、あとあと思い出せば、実は今後にものすごく役立つことに気付くはずです。何より、結果が出ないうちは、評価されなくても、とにかく、ひたすら「頑張る」こと。そんなひたむきな女の子に、私たちは惹かれるのです。だからこそ、ケンタロウは、手を差し伸べたくなったのだから。見てくれている人がきっといる。そう信じて、頑張ろうよ、今日も、そして、明日からも。