クライマックス。

6月19日放送分の、葉音と芯也の対話。秀逸だと思ったので、書き起こしてみました。

無理よ、息が続かない。あなた一人で・・・
葉音。
わたしは・・・とても、疲れてしまったの。このまま、眠ってしまいたい。


やめて!あなたまで死んでしまう・・・・・殺してしまう・・・

君を置いていけない・・・・・君は・・・今までずっと一人ぼっちだった・・・僕も同じだ。この息が途絶えるなら、君のそばで同じように・・・

あなたには愛する人が・・・
罪悪感ゆえの思いだ。本当の愛とは違う。
本当の愛?

僕は、それをまだ知らない。他人を憎み、嫉妬し続けた僕には、決してたどり着けないのかも知れない。僕には、決して・・・

あなたを愛してる・・・・・初めからずっと・・・

それも本当の愛とは違う。


それなら・・・二人で探しにいくの。


見つかるだろうか。


見つかるまで・・・探すの。


そうしたら・・・・・幸せに・・・


きっと・・・・・
 ・・・・・なれる。

走馬灯のように脳裏を駆け巡る、葉音と芯也がともに同じ空間で過ごした日々。満開の桜の木の下で、おもちゃのピアノとの出逢い。バースデーケーキ。どしゃぶりの雨、電話ボックス。2人でともに奏でる「グロリア」。一瞬、一瞬に、幸せをかみ締めた。人を信じられなかった葉音にとって、初めて、人を信じきって過ごしたひととき。芯也を、心から信頼していた。芯也も、そのことをよくわかっていて、葉音の力になりたいと思っていた。本当の愛を知らない芯也が、誰かのために、葉音のために、すべての思いを傾け、過ごした時間。

お互いに、絶対に、忘れることはないだろう。永遠に。


そして、そんな日々がこれからも続く、お互いにそう信じて・・・・・

話は、最終話へと向かっていく。




先週の日記で「今回が事実上のクライマックス」そう綴りました。最終回を翌日に控えた今も、そう思っています。みんながみんなウソをついて、ウソで塗り固めたストーリー展開。しかし、この葉音と芯也の会話だけは、お互いに嘘偽りない、本当の気持ちなんだと思います。本当の愛とは何かがわからず、戸惑う芯也。ひたすら前向きに、本当の愛を探そうと思いを馳せる葉音。お互いに、嘘なんてついてない。芯也が、葉音に今まで嘘をついてきたことを詫びて、心のつかえがとれて、やっと、素直な気持ちを、さらけだせるようになったのだと思います。いや、葉音は、ずっと芯也のことを、信じていたのだと思う。それでも「いろいろあって」一度は、芯也のことをうらんだこともあった。しかし、今後、芯也のことを嫌いになったり、うらんだりすることは、もう二度とないと思います。塗り固めた嘘を剥ぎ取った、本当の芯也の気持ちを知ることができたから。これから、どんないいことが、いや悲劇が待ち受けているかも知れない。それでも、どんなことがあっても、悔いは残らないだろう。少なくとも、葉音は。

だから、最終回がどういう展開になろうと、意味はもたないと思うのです。葉音が、本当の愛、本当の幸せを見つけ出そうという前向きな気持ちになれたから。
この話を葉音を中心に据えて見たら・・・・・もう、葉音がこれから生きていく上での「方法論」その答えは、もう見つかっているのだ。