「大島公一 背番号13」

第6回は、チーム1小さいベテラン、大島公一内野手(37歳、来季で13年目)
本当に小さいんです。身長167㎝は、楽天イーグルスでいちばん低いってだけじゃなく、スポーツ選手とは思えない小ささです。間近でみると、その小ささに、ただ驚きます。しかし、野球選手としては、この小ささが“長所”になります。打席に立つと、ストライクゾーンが狭いので、ピッチャーが投げにくいんです。しかも、大島さんはバットコントロールがうまいので、余計にやりづらい打者です。ホームランはあまり打てませんが、安打はコツコツと積み重ねており、バントもうまい。もちろん、盗塁もOK。内野の守備は、二塁でも三塁でもできる。軽快な身のこなしで、打球を処理します。「走・攻・守」それぞれで、高い能力を持った、良質の“職人”です。
小さいため、ただでさえ若く見られがちですが、それだけじゃない。とにかく、笑顔が爽やか。ますます若々しく見えます。人当たりもとてもソフトで、若手のときから「小ちゃん」というニックネームで親しまれていました。しかし、今は年上の選手が少なくなったため、小ちゃんと呼ばれることも少なくなりました。そう、大島さんは“ベテラン”なのだ。近鉄バファローズでプロ生活を初め、その後オリックスに移籍し、優勝も経験しました。しかし、今まで在籍した2球団とも、今年限りで消滅してしまい、あげくの果ては、その合併球団のプロテクトからも外されてしまいました。とにかく、とてもつらい思いをした2004年でした。
それでも、大島さんは、来年からも野球が出来るのだ。新球団・「東北楽天ゴールデンイーグルス」の一員として。高年齢ですが、その高い技術と、豊富な経験を持ち合わせた大島さんの代わりには、誰もなれない。内野のレギュラーを目指して頑張る“小さな”大島さんに、“大きな”エールをお願いします。