さらば、いてまえ青波継承元年の戦士たち

8名の選手が戦力外通告、そして、サーパス神戸佐々木誠コーチの退任が発表されました。

マック鈴木投手

鳴り物入りブルーウェーブに入団してから3年間、まったく活躍できませんでした。文字通り、期待を大きく裏切った選手です。
自分が最初にマックを見たのは、2003年2月の教育リーグ。ブルペンで、そして、マウンドでのパワー溢れるピッチングもさることながら、登板後にブルペンで、コーチと一緒にフォームの細かなチェックをしている姿も印象的でした。
また、昨年11月、合併直後の秋季練習。練習時間が終わっても、マウンド上で、赤堀コーチの話を熱心に聴いている姿が印象に残っています。
マックとは、そういう選手なんだと思う。
米球界時代は、多くのチームを渡り歩いて、さまざまな指導者のもとで育ってきた。だからこそ、入団以来、監督が頻繁に交代し、チームがブルーウェーブからバファローズに代わるなど、度重なる環境の変化にも、対応できる。そして、誰が監督・コーチであろうと、貪欲に指導を受け、吸収していく。マックは、そんな選手なのだ。
しかし。
一軍の公式戦で見るマックには、まったくやる気が見られなかった。
闘志のかけらも、見られない。
ウエスタンリーグ公式戦の試合前練習でも、精力的に動くでもなく、他の選手たちと、ヘラヘラしながら談笑している。
いったい、何が悪かったのか。
オリックス球団に、彼のやる気を削ぐ要因があったのかも知れない。
確かに、オリックス球団では勝利に貢献はできませんでした。
それでも、この3年間、多くの指導者から、さまざまな話を聞き、たくさんのことを学んだはず。
マックは、これから米球界に再挑戦するそうです。
ブルーウェーブ、そしてオリックスバファローズを通して学んだことを、今後の野球人生に生かして欲しいと、切に願っています。

さらばベテラン。

岡本晃投手、五島裕二投手、福留宏紀内野手。3人のベテラン選手が、ついにチームを去ることになりました。
岡本。大阪近鉄球団最後のV戦士の一人でしたが、オリックスバファローズでは一度も一軍登板機会が与えられませんでした。
ゴッシー。石毛監督時代には、藤井康雄さんの後釜で4番として定着したこともありました。今季はシーズン途中で一軍昇格のチャンスを与えられるも、他の一軍打撃陣を脅かす存在にはなれませんでした。
トメ。入団以来12年、内野守備には定評がありましたが、一軍定着のチャンスを掴めず、もっぱらサーパス神戸のレギュラーとしてこれまでのプロ生活の大半を過ごしました。今年もそれは例外でなく、どんなにサーパスで活躍しても、一軍に昇格することは一度もありませんでした。
彼らは、このまま燃え尽きてしまうのか。それとも、再び闘志を燃やし、新天地で再挑戦するのか。今後の動向に注目です。

“逆輸入”の遅咲きルーキーたち

塩屋大輔投手、井戸伸年外野手。ともに米球界を経て、26歳でプロ入りした選手です。
2人とも、今季は一軍での出場機会は叶いませんでした。
今までの人生を、野球一筋で過ごしてきた彼ら。
そして、来年は30歳。どんな人生の選択をするのだろうか。

若い君たちへ。まだまだ人生はこれからだ

谷口悦司投手、宇都格投手。2名の若手投手も、戦力外に。
谷口。ルーキーイヤーの左肘手術をはじめ、怪我に泣いた4年間でした。
宇都。線が細く、プロ野球選手としてやっていくには体力的に厳しいとの見方も出ています。
彼らはまだ若い。そして、先は長い。
納得のいく人生の選択を、して欲しいです。

おつかれさま、佐々木誠・外野守備走塁コーチ

これで、今年のバファローズおよびサーパスの監督・コーチ陣は、現時点で3人退任されたことになります。
かたや、楽天田尾監督は、続投したかったのに解任されました。
仰木さん、加藤さん、佐々木さんは、自ら退任を決心しました。
この違いって、何だと思います?
それだけ、この合併球団・オリックスバファローズ、その二軍のサーパス神戸を率いるのは、体力的にも、そして精神的にも、激しく消耗するということなのです。
仰木さん、加藤さんは、ともに就任当初から健康面に不安があったにもかかわらず、他に適任者がいないという事情で、急遽就任することになったという経緯が共通しています。
だから「仕方がない」と言うしかないのですが。
しかし。
まだまだ若くて、元気な佐々木さんが退任するんですよ。
相当、厳しい状況だったんでしょうね。
とくに今年のサーパス神戸は、厳しかったと思います。
プロテクトでオリックスが獲得した25人以外は、育成段階の若手であったり、楽天にも拾ってもらえないほど使えない選手だったり、そういった事情もあり、サーパスには、一軍半とも言えないほど、戦力にならない選手しかいませんでした。当然、一軍に送り込むほどの選手なんて、ほとんどいない。そんな選手ばかりだから、サーパスはウエスタンで最下位になってしまいました。誰とは言わないが、開幕一軍入りするも干されて、そのまま二軍で今季を終えた野手もいます。わがままな彼を預かるのは、かなり精神的にきつかったんじゃないかと推測します。
佐々木さんを含め、こんな面倒くさくてやりにくいチームの1年目をまとめあげた監督・コーチには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。