おつかれ、ジェイソン

出場選手登録抹消(18日)
オリックス ジェイソン・グラボースキー内野手

再登録可能な10日後には、もう一軍の全日程が終了しています。
グラボースキーが、一軍の試合に出場する機会は、今季はもうありません。
と、いうわけで。
今日9月23日。グラボースキーは、全日程終了を待たずに、帰国してしまうことになりました。



来日1年目は満足いく成績を残せず、期待を大きく裏切ったことは事実です。
しかし。
チームとしては、あくまでも、昨年から在籍しているガルシアとブランボーが、優先的に起用される状況。
グラボースキーに一軍の出場機会が巡ってくるのは、
ガルシアとブランボーの調子が悪いときであり、グラボースキーの調子が良い時とは限りませんでした。
「外国人野手3人」というチーム編成は、グラボースキーにとってあまりにも過酷ではなかったかと考えます。



そんな過酷な状況の中で、グラボースキーは、彼なりの持ち味を発揮してくれました。
チーム屈指の、「四球出塁」の確率の高さです。
39試合、108打席という少ない出場機会で、チーム内で10位18四球を記録しました。
出塁率.296、これはチーム内で14位です。
全日程のうちの半分も出ていない選手としては、驚異的な数字です。
一軍ピッチャーに慣れる間もなく、打席に立ち続けて経験・研究をすることもできないという過酷な状況でも、
初めて対する相手投手を球筋を見抜くという技術で、彼は生き延びてきたのでした。
今まで何度も降格のピンチが訪れましたが、そのたびに四球出塁で信頼を取り戻し、首の皮一枚繋がり続けて、
ギリギリのところまで、一軍野手枠にかじりつくことができました。

  • ボール球を確実に見送る選球眼の良さ。
  • 相手投手にストライクを投げさせない威圧感。

これが、グラボースキーの「持ち味」だったといっても過言ではありません。

グラボースキーが打席に立ったら、(四球で)塁に出てくれる

なんだか不思議な期待のしかたですが。
彼が打席に立ったときの、ライトスタンドからの高らかな「ジェイソン」コールは、
なんだかんだ言って、バファローズファンのささやかな期待の証。
意外なほどに、彼を野次るファンは、ほとんどと言っていいほどいませんした。
期待通りに四球を選んでくれたときの、バファローズファンの歓喜で、
ライトスタンドのボルテージが、さらにあがったものです。
球を見極めすぎて、見送り三振になることも少なくなかったですが。
それも、どんな形ででも塁に出たいというグラボースキーの執念の表れだったのかも知れません。



少しでも長く、彼のプレーを見たかったのですが。
京セラドーム大阪最終戦(12日)の「空振り三振」が、
私たち地元のファンに魅せてくれた“最後の雄姿”となってしまいました。





スカイマークスタジアムの最終戦で、グラボースキーの姿が見られないのは、本当に残念でなりません。
彼に直接「お疲れさま」と、私たちは言えないまま、グラボースキーは帰国してしまいました。
しかしながら、2006年に“面白い”野球を魅せてくれたバファローズ選手の一人であることは、まぎれもない事実。
最後の最後。もう一度、グラボースキーの応援歌を歌いたい。
ライトスタンドで、ジェイソンコールをやりたい。
そのためにも。
27日のスカイマーク終戦は絶対に勝って、勝利の二次会をやろうじゃないか。
終戦終了後のライトスタンドで、2006年全野手のメドレーをやれるように。
その声援が、遠く離れたグラボースキーにも届くように。





ジェイソン・グラボースキー
1年間、お疲れさまでした。