グラボースキーよ。幸運を祈る。

今日付けで、オリックスバファローズから、このような公式発表がありました。

グラボースキー選手 自由契約のお知らせ     2006.12.25



オリックス・バファローズでは、ジェイソン・グラボースキー選手を保留者名簿に記載しておりましたが、保留を解除し、自由契約選手といたしましたので、お知らせいたします。



http://www.buffaloes.co.jp/info/info.asp?n=1324#

要約すると

  • オリックス球団としては来季も契約してもらいたかった
  • しかし、諸般の事情によりやむを得ず、オリックス球団が来季の契約を諦めた

その諸般の事情とは、以下の通り。

12/21/2006 6:31 PM ET
Rays sign three to Minor League deals
Glover, Reyes and Grabowski invited to Spring Training



ST. PETERSBURG -- The Devil Rays signed three players Thursday to Minor League contracts with invitations to Spring Training.
Brought into the fold were right-handers Gary Glover and Al Reyes and outfielder Jason Grabowski



http://tampabay.devilrays.mlb.com/NASApp/mlb/news/article.jsp?ymd=20061221&content_id=1766271&vkey=news_tb&fext=.jsp&c_id=tb

和訳するとこんな感じ。



グラボースキーの処遇については、公式戦の最中から今まで、さまざまの不確実な憶測が飛び交い、
何が本当で何が偽情報なのかがまるっきり掴めずにいました。
オリックスファンとして、ここまでマスコミに翻弄されたことはありません。
ここで今一度、何が真実なのかを整理してみますね。

  • オリックス球団は「グラボースキーは戦力外」とコメントしたことは、今まで一度としてない
  • グラボースキーが公式戦終了を待たずに帰国したのは、登録抹消された時点で全日程終了まで10日間もなかったから
  • 12月1日の時点では契約保留選手名簿に名前が記載されており、来季もグラボースキーと契約を結ぶ予定だった

少なくとも、オリックス球団はグラボースキーを戦力外としては扱っていないわけです。
スポーツ各紙の各々勝手な憶測を取り除いて考えれば、
グラボースキーが来季の戦力として引き続きチームに在籍することは、ごく自然な流れだったはず。



しかし、こういうことになってしまいました。



経緯については新聞紙上でいろいろ書かれていますが、
グラボースキー自身や代理人の、オリックスについてのコメントが一つもない以上、真実はわかりません。
ただ一つ確かなこととしては、
「本来ならデビルレイズのルール違反だが、オリックス側が事実を確認した上で、
 オリックスの意思には反するが、やむを得ずグラボースキーを手放すことにした」
この“やむを得ず”の理由は、もはや当事者同士にしかわからないことであり、
外部の人間がとやかく言うことではないと思います。





グラボースキーとの、突然の別れを惜しむ一方で。
「こうなって、むしろ良かったかも知れない」そんな思いもあります。
今季同様“第3の外国人野手”として扱われる可能性が高かったからです。
これでは、来年も在籍していたとしても、今年と同様、力を発揮できなかったでしょう。



今季の不振の理由の一つは「入団当初から、第3の外国人野手として扱われていた」ことであり、
中途半端な出場機会しか与えられず、力を発揮しにくかったと思います。
中村勝広前監督が辞任した後「外国人野手は2人がいい」とコメントしていたことからもわかるように、
監督としても、“第3の外国人”の起用には随分と苦慮したことでしょう。
コンスタントに起用しなければ試合勘が鈍る、しかし、選手の調子のいいときに起用できるとは限らない・・・
公式戦の最中、正視していられないほど苦悩に満ちた中村監督の暗い表情の原因の一つが、
この“第3の外国人”の存在だったのかも知れません。



そんな中村さんの苦悩に反して。
オリックス球団は、新たに2人以上の外国人野手の獲得を目指しています。
日本での実績が豊富な選手も含まれています。
グラボースキーが、再び“第3の外国人野手”になってしまう恐れがあるにもかかわらず、です。





グラボースキーがこのたびデビルレイズに移籍することが決まって。
ホッとしたのと同時に、嬉しく思っていることもあります。
グラボースキーの新しい働き場所がどこなのかが、具体的にわかるからです。
助っ人としての仕事を終えて、日本を去っていく外国人選手の多くは、
つぎの所属先がどこなのか、わからないまま忘れ去られてしまうことも、少なくありません。
野球を続けるのかどうかさえも、わからないことが多い。
そんな中、グラボースキーは、これからも大好きな野球を続けることができます。
もう、それだけで充分じゃないか。





幸運を祈っています。